ペーパレス化のメリットや方法を徹底解説

デジタル化

昨今のリモートワーク普及などに伴い、ペーパレス化を導入する企業が増えてきています。

一方で、「ペーパーレスはどのように導入すればいいのか分からない」、「ペーパレス化することで、どんなメリットがあるのか分からない」との理由から、ペーパレス化に一歩踏み切れない方もいらっしゃる状況です。特に紙の書類がメインになっている企業では、ペーパーレス化に踏み切ろうと考えても、なかなか思うように進められないこともあるかと思います。

そこで本記事では、ペーパーレス化のメリットや具体的な手段、進め方を解説していきます。

ペーパレス化のメリット・デメリット

ペーパレス化のメリット

ここでは、ペーパレス化のメリットを紹介していきます。

①業務の効率化

1点目としては、業務の効率化が挙げられます。具体的な以下のような場面で業務が効率化していることを実感できます。

・リモートワークが実施可能
データをペーパーレス化することで、いつでもどこからでも資料を確認することができます。そのため、出勤している時と同じように、リモートワーク下でも働くことができます。ファイル共有のための手段にお悩みの方は、「社内外でファイルを共有するのにおすすめのツール紹介」の記事もぜひご覧ください。

・資料の検索性向上
「前に見てた資料ってどこにあったっけ?」と悩みながら、会社の資料庫を捜索する必要がなくなります。書類をデータで保存していれば、検索ボタンを押すだけで自分の見たい資料を探せます。

ファイル名のルールを事前に使っておくと、検索性がより向上します。

例えば、「20xx0625_資料名_ver1.0」のように決めておくと同じ資料が更新順に並ぶため、ほしい資料が簡単に見つけられます。

②コストの削減

その会社置かれている状況に応じて一概には言えませんが、多くの場合においてコスト削減が可能になります。大容量の場合はデータの保存費用がかかるケースもありますし、この後紹介する電子承認システム等を導入する場合は、システム導入・維持費用がかかります。一方で、スキャナー台数の削減やコピー代・インク代、社員の残業代削減が期待できます。

実際に導入する際には、費用対効果がプラスになるかどうかを計算したほうがよいと考えます。

③セキュリティ対策

紙の書類は紛失、漏えい、劣化等のリスクがありますが、資料をデータ化することでこれらのリスクを抑制することができます。加えて、アクセス権限をコントロールできるため、必要な人のみがアクセスできるような体制にすることで、セキュリティを高められます。

またデータ化した資料は複製や復元も簡単ですので、バックアップを残すことで万が一に備えられます。

ペーパレス化のデメリット

ここでは、ペーパレス化のデメリットを紹介していきます。

①業務によっては効率が落ちる

すべての業務のおいて、効率が上がるわけではありません。例えば、細かい表を全体でみる必要がある場合は紙で出力した方が効率的な可能性があります。(パソコンの画面上で表全体を見ようとすると、表の細かい数字が見えないこともあります。)

②コストがかかる

メリットの箇所でも言及しましたが、費用対効果がプラスになるかを計算した上で導入するかどうかを検討する必要があります。特に電子承認システムや会計系システムは維持コストもかかりますので、慎重に判断する必要があります。

③一定のITリテラシーが必要

パソコンに不慣れな従業員を多く抱える会社にとって、ここが一番のポイントになります。せっかく導入したのに、従業員がうまく使えなくて、結局置物になってしまったというケースは枚挙に暇がありません。そのような事態を防ぐために、導入研修を実施したりマニュアルを整備する必要があります。

④障害のリスクがある

クラウドストレージを使用している場合でも、サービス提供会社側の障害発生の影響を受けることがあります。こちらで未然に防ぐのは難しいため、そのような事態が発生した場合でも業務に支障がないよう、データのバックアップを適宜取るなどして備えておく必要があります。

ペーパーレス化の方法一覧

ここまででペーパーレス化のメリット・デメリットを紹介してきました。ペーパーレス化のメリット・デメリットを理解したうえでペーパレス化を進めると判断した方へ、具体的にどのような方法があるかを紹介していきます。

ペーパレス化と一言で言っても、目的や手段に応じて多くのアプローチがあります。ご自身の目的にどの手段がいいかを考えながらぜひご覧ください。

自社への導入を検討するにあたり、具体的にどのように進めていけば分からない方もいらっしゃると思います。そのような方向けに、弊社では各種方法の導入支援も行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

さてここで紹介する手段としては、大きく2つに分けられます。「紙資料の電子化」と「バックオフィス業務のペーパレス化」です。

紙資料の電子化

こちらの項目では、紙資料の電子化方法について紹介します。

PDFの活用

PDFは印刷したときと同じイメージで、手軽に書類を電子化できるサービスになります。

紙の資料が必要になった場合はPDFファイルを印刷することで、イメージ通りの書類を手にできます。全ての資料を紙に印刷しファイリングする必要がないので、ペーパーレス化に貢献します。

OCRの導入

OCRとは、Optical Character Recognitionの略です。画像内に印刷されている文字や手書きの文字をデータに変換する技術のことを指します。

資料をそのままPDF化してしまうと、画像として処理されるため、資料内の文字のコピペができません。(画像として認識しているため、文字として認識されていないのが原因です。)

一方でOCRを使うことで、画像から文字を抽出することができます。OCR認識したデータは、WordやExcel、PDFなどファイルとして保存できます。

スキャナーの使用

スキャナーとは、機器の名前です。書類や写真データを読み込んでデジタルデータへ変換する機器です。サイズ的には幅広くラインナップされています。コンパクトなハンディスキャナータイプから、プリンターに搭載されている複合タイプなど様々な種類があります。

今まで紙で取り扱っていた図面や契約書、マニュアル、名刺を始めとした各種資料をデータ化することで、社内での管理や共有がしやすくなります。

また、近年ではスマホやタブレットでもスキャンできるようになっています。そのため、スキャン自体はかなり手軽にできるようになりました。

しかし、スキャン対象の枚数が多い場合は、あまりに手間がかかってしまい通常業務に支障が出る可能性があります。その際は、次で紹介するスキャニングサービスを活用するのが良いと思います。

スキャニングサービスの活用

スキャニングサービスとは、紙の資料のデータ化を代行してくれるサービスのことを指します。

スキャニングサービスの利用には費用がかかりますが、本業を圧迫せずに済みます。

バックオフィス業務のペーパレス化

こちらでは、種々のバックオフィス業務をペーパレス化するための方法について、紹介していきます。

導入を検討する際には、費用対効果がプラスになるかを十分に吟味してください。

会計ソフトは、入力した経費を自動で仕訳したり、領収書のスキャンデータを読み込んだり、口座を同期し自動的に帳簿に反映したりと、効率的な帳簿作成が可能になるツールです。

会計システムの導入

経理部門では、伝票や領収書など紙媒体を扱うことが多いため、ペーパーレス化の恩恵を受けやすい部門といえます。会計システムを導入すれば、ミスや業務負担の軽減につながります。

また、会計システムの導入により、これまでやりづらかったリモートワークができるようになります。

主なクラウド会計ソフトとしては、会計freee弥生会計オンラインマネーフォワードクラウド会計などが有名です。

経費精算システムの導入

経費精算システムとは、クレジットカードとの連携や、駅名を入れるだけで交通費が反映されるようなシステムです。

おすすめの経費精算システムとしては、「SmartGo Staple」「TeamSpirit 経費精算」「楽楽精算」が挙げられます。

勤怠管理システムの導入

勤怠管理システムとは、出退勤時間の時間や休暇取得状況を記録できるシステムです。

社員の勤怠管理や休暇取得状況をタイムカードやExcelへの手入力で管理する会社も多いと思います。しかし、これらを毎月手作業で確認し、集計するのは非常に面倒です。ミスが起きることも多いでしょう。

そこで、勤怠管理システムの導入がおすすめです。残業時間の集計や年間の有給休暇の取得数が自動で集計されるので、業務を大幅に圧縮することができます。

おすすめの勤怠管理システムとしては、「マネーフォワードクラウド勤怠」、「ジョブカン勤怠管理」、「キングオブタイム」が挙げられます。

電子契約システムの導入

電子契約システムとは、電子データ上で契約するためのシステムであり、契約書のペーパレス化に役立ちます。もちろん紙の契約書と同じ法的効力を持ちますし、電子契約書は電子文書としてクラウドストレージ等へ保管できます。

電子契約であり印鑑が不要のため、リモートワーク時に出社する必要がありません。紙の印刷代やインク代も節約できます。何より各社の印鑑を押す必要がないので、契約締結までに時間や手間がかからないのが大きなメリットです。

主なサービスとしては、「クラウドサイン」「freeeサイン」「BtoBプラットフォーム契約書」などが挙げられます。

また契約書の取り交わしを迅速に行なえること、改ざんがされにくいことも特徴に挙げられます。

労務管理システムの導入

労務管理の分野もペーパレス化によるメリットが大きいです。従業員の労働時間の管理や、社会保険や福利厚生の加入管理、給与管理など、業務内容が非常に幅広い一方で、紙ベースでの業務が多い分野です。そのため、ペーパレス化により大幅な業務改善を見込むことができます。

使い勝手の良いサービスとしては、「楽楽労務」、「freee人事労務」「ジョブカン労務HR」が挙げられます。

備品管理システムの導入

備品管理業務に関しても、備品管理システムを導入することでペーパーレス化できます。他のシステムと異なり、備品それぞれにバーコードやQRコード、ICタグといった、個々の備品を識別するものを貼付する手間はかかります。しかし、その手間によって、備品に貼り付けられたバーコードやQRコードを読み取り、そこから貸出状況や在庫量、メンテナンス情報などを一元管理できるようになります。それを実現するのが備品管理システムです。

・備品の紛失が多い、貸出状況が不明→備品の状況をいつでも正確に把握できる
・棚卸しに丸一日かかる→棚卸の手間や時間を減らせる
・在庫表と数が合わず資産管理が難しい→備品が多くても所在地を把握できる

多くの企業が抱えている上記のお悩みを解決できます。

よく使われているサービスとしては、「Convi.base」「Assetment Neo」「タグ衛門」が挙げられます。

まとめ

ペーパレス化は働き方改革や生産性向上の効果が見込める非常に素晴らしい方法です。しかし、どの企業にもすべてのツールを導入すればいいわけではなく、導入前後の負荷の比較や、従業員の教育などの労力がかかる点を見過ごしてはいけません。

ペーパーレス化することで効率アップを見込める分野をまずは1つ特定し、そこに対してペーパレス化を導入するのはいかがでしょうか?その過程で社員の理解を得ながら、ペーパレス化の範囲を拡大していくという手法も考えられるかと思います。

ペーパレス化と一言で言っても、目的や手段に応じて多くのアプローチがありますので、ご自身の目的にどの手段がいいかを考える必要があります。

自社への導入を検討するにあたり、具体的にどのように進めていけば分からない方もいらっしゃると思います。そのような方向けに、弊社では各種方法の導入支援も行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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